TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第3話感想
どうもSUNです。
ついに3話が公開されてしまいました…。
「3話切り」という言葉があるくらいシーズン物のアニメやドラマでは、いかにこの第3話で視聴者を離れさせないかが鍵となり、物語の展開も大きく動くことで知られています。*1
その期待や重圧に負けない、素晴らしいものを虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は見せてくれました。
「せつ菜回」ということで、今回は彼女の価値観に触れながら、僕のせつ菜ちゃんに対する気持ちを述べていこうかなと思います。
それではどうぞお付き合いください。
※ここから先、アニメ第1話~3話及びスクスタメインストーリー&キズナエピソードのネタバレを含みます。
寛大な人、人に寄り添える人
突然ですけど、僕は南ことりちゃんが大好きです(せつ菜ちゃんの話で他の女の名前を出す畜生)。
ここで皆さんに一度思い返してみてもらいたいことがあります。それはラブライブ!の公式から供給されるストーリー(アニメ本編中及びSIDや漫画版、スクフェスやスクスタ等)において、彼女が何かを強く否定したことがあるかどうかです。
どうですか?なかなか出てこないでしょう?僕も思いつく限りでは出てきません。
そうです、彼女は何事にも肯定(ないしは共感)から入ってくれるんです。
よほど彼女の価値観から外れたことを言わない限り、「ことりはそれでいいと思うよ♪」と笑顔で応答してくれることは想像に難くないと思います。
「それはただのイエスマンではないのか?」という声が聞こえてきそうですが、決してそうではなく、彼女には決して折れない芯があり、ただ単に彼女の生き方がそうだからなんです。彼女は彼女なりに自分の価値観を貫いています。
だからこそ「人には人の役割がある」だなんて言葉が言えるんです。
彼女はただ自分の役割を全うしている、自分の役目はこうだと理解している。だから彼女は強い。ブレない。
ことりちゃんの生き方、それは「人を否定せずに受け入れること」だと思っています。
相手のことをまず認め、受け入れる。簡単なようですが難しいことです。
彼女はそれができる。
よくことりちゃんは優しく、穏和な女の子だと言われますが、その理由というか根幹にあるのは、彼女がこういう人間だからということだと思います。
僕がことりちゃんのことを愛してやまないのは、声がかわいい、ビジュアルがたまらんかわいい、性格が優しいとかそれ以上に、こういう器の大きいところや人間としての強さを一人の人間として尊敬しているからです。
冗談半分本気半分で世界中の人間が皆南ことりになれば、間違いなく世界平和が実現すると僕は思っています。
様々な価値観が認められる現代において、時にその価値観同士がぶつかり合い亀裂を生むことがあります。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会でもつい先日かすみんの口から語られましたね。
「自分の価値観を持ち、他人の価値観や考えを認め受け入れる。そしてその上で自身の価値観を揺らがさずにしっかり持つ。」
そんなことりちゃんの生き方。
なんだか聞き覚えはありませんか?
「自分の大好きを大切にして、他人の大好きを大切にして、その上で自分の大好きを貫く。」
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会1stライブ‘‘with You‘‘にて、優木せつ菜役楠木ともりさんが放った言葉です。
これはそのまませつ菜ちゃんの価値観にも当てはまると思います。
優木せつ菜という人間は、「大好き」という気持ちに正直で、世界中の人間全てが自分の大好きを貫ける、そんな世界を作りたいという野望を持つ女の子です。
スクスタでのせつ菜ちゃんのキズナエピソード20話でもこのように語られています。
ことりちゃんとせつ菜ちゃん
性格も好みも全く違う二人ですが、なんというか「他人を受け入れる寛大さ、器の大きさ」のような所でなんだか似ているなあと感じました。
これはアニメの世界でも例外ではなくて、
動物の放し飼いは校則では禁じられているはずでも、はんぺんが璃奈ちゃんのことを大好きと思う気持ちを読みとり、「生徒会お散歩役員」という特別措置を用意するほどです。
他人(この場合は猫だけど)の「何かを大好きと思う気持ち」に敏感で、それを尊重できる。優木せつ菜は本質的にそういう人間なんです。
大好きを隠して…
そんな彼女がやってしまった過ち。
「大好きを叫びたかった私が、他の人の大好きを傷つけた」
他でもない彼女自身が自分の大好きを優先して他人の大好きを踏みにじってしまった。
きっととんでもなくショックだったと思います。
自分が軸として持っていた大切なものを、自分の手で壊してしまったのだから。
だからこそ、彼女はこのまま他人の大好きが踏みにじられるならとスクールアイドルをやめてしまいます。
ちなみにアニメの中川家の設定がスクスタとほぼ変わりなければ、菜々は自分の大好きなものを堂々と家には置けない状態のハズです。
彼女の大好きなアニメやゲーム、ラノベ。それらは全て隠さなければなりません。スクールアイドルを象徴する衣装もまた、その仲間に入ってしまいます。
(この、親が来るのがわかった瞬間急いで片付けて勉強しだすの、僕が中高生時代親が階段上る音が聞こえた瞬間ゲーム機をしまって宿題をするっていうムーブ思い出して親近感湧きました)
ほんとまじで中川菜々さんが美少女すぎる…(わかるよな?な?(菜々だけに))
目的達成…?
旧同好会メンバーと合流した幼馴染コンビと果林パイセン。
生徒会長の正体が優木せつ菜であることがついにゆうぽむかすの3人に明かされます。
元々同好会を再結成するのが目的だった。本人がやめたといい、同好会再始動の条件も満たしてるならもういいのではないか。
パイセンはそう言います。でもせつ菜ちゃんがやめてもいいかと聞くと
「それは嫌だよ!!」と(スクフェス組が口を揃えてるのエモい)
同好会メンバーにとって、せつ菜ちゃんが仲間として大切な存在になってるんだなと感じられて好きなシーンです。
せつ菜ちゃん本人はメンバーの大好きを踏みにじったことを悔やんでるのに、そのメンバーは皆せつ菜ちゃんを必要としている。せつ菜ちゃんの帰る場所だと言ってくれている。
そしてそこには、せつ菜ちゃんと同じことを繰り替えす所だった者もいて。
「今はちょっとだけ気持ちもわかる気がするんですよ。前の繰り返しになるのは嫌ですけど、きっとそうじゃないやり方もあるはずで、それを見つけるにはかすみんと全然違うせつ菜先輩がいてくれないとダメなんだと思うんです。」
前回の経験から学んだかすみん。
一度失敗を経験したからこそ、その言葉には重みがあってたくましかったです。
大好きを叫ぶ
中川菜々と優木せつ菜を呼び出した侑ちゃん達。
侑ちゃんから「スクールアイドルとして、同好会に戻って欲しい」と説得をします。
でも、
「私が同好会にいたら、皆のためにならないんです!!」
「私がいたら!!ラブライブに出られないんですよ!!!」
彼女はラブライブで勝利することに必要なのは「メンバーが一つの色にまとまること」と言っていました。
そんな彼女自身が他人の大好きを傷つけ、まとめようとしても衝突は増え、ついにはバラバラになってしまった。
これ以上自分が同好会にいれば、もっとメンバーを傷つけてしまう。それでは到底一つの色にまとまることなんてできない。
ラブライブはスクールアイドルにとっての夢の祭典。
せつ菜ちゃんはもちろん、他のメンバーもラブライブを目指すつもりでした。でも、せつ菜ちゃん自身が同好会を、皆を傷つけるなら、それは皆の夢を壊すことになる。
せつ菜ちゃんは人の大好きに敏感で、それを尊重できる優しい女の子です。
だから彼女は一度大好きを隠すしかなかった。
他人の大好きを守るために。
もう二度と、自分が他人の大好きを傷つけないために。
それを最後のワガママともいいました。
でも侑ちゃんはこう言ったんです。
「だったら!だったらラブライブなんて出なくていいっ!!!」
ラブライブがせつ菜ちゃん自身の大好きを蝕んでいるのなら、ラブライブを目指す必要はない。
だって侑ちゃんは優木せつ菜が大好きだから。
せつ菜ちゃんの幸せを誰よりも願っているから。
大好きな人が、自分の大好きに正直になれないのが辛かった。
ただ推しの幸せを願っている。推しが笑顔でいてくれればそれでいい。
まんま僕達オタクの気持ちを代弁してくれたようでした。
せつ菜ちゃんの本当のワガママ
それは「大好きを貫くこと」
「大好き」に振り回され、自分を貫けなくなった少女が、「大好き」という気持ちをきっかけに自分の「大好き」を肯定される。
救いがあってよかった。優木せつ菜のワガママが受け入れられる世界で良かった。
高い空、果てない海のような彼女の笑顔が見られる世界。
そんな世界を、僕は愛おしく思います。
髙咲侑とあなたと僕ら
侑ちゃんがせつ菜ちゃんに向けた気持ち
・せつ菜ちゃんが幸せじゃないのが嫌
・せつ菜ちゃんの歌が聴けるだけで十分
・スクールアイドルがいて、ファンがいる。それで十分。
これは僕たちが自分たちの推しに向けている感情そのものだと思います。
僕はことりちゃんには永遠に幸せになって欲しい、ことりちゃんが自分のやりたいことができないのが嫌だ。
髙咲侑という人物はもともとスクスタでの「あなた」が担う役割をTVアニメにする際にキャラクターとしてビジュアル化した存在です。
そしてその「あなた」はスクスタの世界において「僕ら」がなりえる姿です。
「僕ら」は住んでいる世界の違う彼女達に直接語り掛けることはできないけれど、「あなた」ならそれができる。
「髙咲侑」は立場上「あなた」であって厳密には「あなた」ではないけれど、「僕ら」は「あなた」になりうることができて、だからこそ「髙咲侑」が「僕ら」と同じ想いを抱いてくれていたことが嬉しいと感じました。
だからこそ、侑ちゃんには凄く共感できるんですね。
最後に
優木せつ菜ちゃん
彼女の野望は果てしないものですが、同時に実現できるならなんて素敵なことだろうなと思います。
あらゆる価値観が認められ、否定されない世界。
僕の大好きなあの子とどこか似た人生観。
そんな彼女のことが僕は大好きですし、尊敬しています。
彼女のおかげで、僕は自分の大好きなものに自信が持てていますし、これを恥ずかしいだとかは思いません。間違いなく、僕の今の価値観に影響を与えている人物の一人です。
だから、彼女が自分の軸を見失っているのが辛い、彼女の大好きが認められない世界がしんどくてたまらない。
だからこの世界が、せつ菜ちゃんにとってあまりにも眩しくて愛おしいと思える世界になることを僕はずっと祈っています。
*1:1クール=12話を4等分したときの起承転結の起に該当し、物語のひとつのまとまりになるため