太陽のつぶやき

独り言を喋ります

「葛藤」というキーワードで見る優木せつ菜

皆さんこんにちは、SUNです。

 

このブログがあがっているだろう8月8日は優木せつ菜ちゃんのお誕生日ですね!
お誕生日おめでとうございます!!

 

今回はそんなせつ菜ちゃんを「葛藤」というキーワードで見ていきたいなと思いました。

 

せつ菜ちゃんの曲に込められたテーマとそれらがそれぞれどんな視点で描かれているのか僕なりに解釈して言葉にしてみました。

是非お付き合い頂けると嬉しいです。

 

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考察の経緯

まずは何故僕がせつ菜ちゃんの曲についてあらためて向き合おうと思ったかについてお話しようと思います。

 

皆さんは今年4月末頃に発売された「Love Live!Days 虹ヶ咲SPECIAL 2021 Spring」はご覧になられたでしょうか?

 

5月に行われた3rdライブ直前に発売されたのもあり、それに関連した内容や昨年9月の2ndライブ後インタビューや今年3月に行われた校内シャッフルフェスティバルのアフタートーク等盛りだくさんの内容でした。

 

恥ずかしながら僕はつい先日この書籍に手をつけまして……。*1

 

その中に「Discography Single CD Cast Comment」と題してアニガサキ挿入歌9曲をそれぞれのキャストさんのコメントで振り返るコーナーがあります。*2

 

その「DIVE!」の楠木ともりさんのコメントにこういうものがありました。

 

『CHASE!』はせつ菜の葛藤の曲なので、必死さが出ても成り立つし、むしろそのほうがいいのですが『DIVE!』は葛藤の先の曲

   (Love Live!Days 虹ヶ咲SPECIAL 2021 Spring P67 楠木ともりより)

 

最初このコメントを見た時、実は腑に落ちた感覚があまりなくて。

 

多分今まで僕はCHASE!を「応援歌」のようなイメージで受け取っていて「葛藤」という目線ではあまり見ていなかったんじゃないかなということに気づきました。*3

 

この世界で最も優木せつ菜という人物に向き合っている人間である楠木ともりさんの言葉でもあるし、せっかくだし一度「葛藤」を軸にCHASE!を聴いてみることで何か自分の中で新しい発見があるかもしれないと思ったんですね。

 

そして聴いた中で、CHASE!だけに収まらない「葛藤」というテーマ、そしてせつ菜と菜々のそれぞれの「視点」で見ることで優木せつ菜の楽曲それぞれの立ち位置がはっきり見えたように感じたため、今こうして文章に起こしてみようと思いました。

 

CHASE!の持つ「葛藤」

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CHASE!の歌詞を見ながら話していきます。

 

大事な気持ち

まるで裏切るように過ごした

昨日にはもうバイバイして

 

繰り返した リスクと後悔

言い訳ばかり探して決めつけた

振り回すのはやめて 

 

一番Aメロの歌詞です。

「応援歌」の視点でみれば、夢はあるけどそれまでに経験した挫折や周りの目に怯え、それを言い訳に自分のやりたいことから逃げている人に向けた詞と考えられます。

 

一方せつ菜と菜々の「視点」を持って「葛藤」をテーマに聴くと言葉の意味が少し変化するように感じられます。

 

自分の「大好き」を精一杯叫べない状況で、その現実に流されやりたいことに背いてきた菜々ちゃん。

 

スクールアイドルを始めるにあたり、親にバレるかもしれない不安、自分の「大好き」を叫びたい気持ちとそれがしっかり伝わらないかもしれない不安。

 

きっとそんな気持ちがぶつかりあって、彼女の最初の一歩は重かったかもしれない。

 

そんな自分の気持ちに振り回される菜々ちゃんの「葛藤」が感じられます。

 

次に2番Aメロです。

 

はんぱな気持ちで

挑みたくはないから

ステージには一つも悔いは残さない

 

比べてみた 理想とリアル

まだ届かないけど感じるから

道の先のゴールを

 

こちらはステージでパフォーマンスするせつ菜ちゃんとしての言葉に感じられます。

 

「優木せつ菜」という存在は菜々ちゃんがスクールアイドルをするために必要なパーツの1つであると同時に菜々ちゃんのやりたいことや理想そのものだと思います。

 

自分はこうしたいという理想のパフォーマンスと、実際の自分のレベルとの差に悩まされてきた日々があったのではないかなと想像できますし、その日々が今のスクールアイドル「優木せつ菜」を作り上げてきたと思うと心に訴えてくる感情があります。

 

このように「葛藤」というテーマで見ていくとせつ菜と菜々の「視点」に立って歌詞を感じられると思うんです。

 

ここからはサビの歌詞について触れますが、その際に優木せつ菜と中川菜々という人間を一度切り離して考えてもらいたいなと思います。

 

走り出した!思いは強くするよ

悩んだら君の手を握ろう

なりたい自分を我慢しないでいいよ

夢はいつか ほら輝きだすんだ!

 

弾みだした!思いは嘘じゃ無いよ

涙から生まれる希望も

目には見えない力で繋がる

夢はいつか ほら輝きだすんだ!

 

このサビの言葉を【菜々の理想像・憧れである優木せつ菜】から【中川菜々】への言葉ととらえることができると思います。

 

握る手、なりたい自分、思い……。

 

それら全て菜々ちゃん自身、菜々ちゃんが持つ要素で、自分の理想像に直接語り掛けてもらうことで変わりたいという一種の自己暗示のような曲だなと感じられました。*4*5

 

「葛藤」の先にある2つの曲

CHASE!が「葛藤」の曲でもあると感じてもらえたところで、せつ菜ちゃんは未だ葛藤の中でもがき苦しむほど前に進めない人間ではないことは彼女の性格やストーリーを見ていけば分かることと思います。

 

彼女がさらに一歩進んで生まれた楽曲、それが「MELODY」と「DIVE!」です。

 

楠木ともりさんの言う葛藤の先の曲という観点を用いれば、この二つは既に葛藤を乗り越えたあるいは葛藤を乗り越えるための曲と解釈できるでしょう。

 

順番に見ていきましょう。

 

MELODY

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(MELODYの視聴は動画の11:19~)

 

MELODYはせつ菜ちゃんのキズナエピソードに準拠した内容になっています。

 

簡単に説明すると、生徒会長ではなくなり、優木せつ菜ではいられなくなる危機に瀕した菜々ちゃんが両親とまっすぐ向き合い、自分の「大好き」を受け入れてもらえるようになる物語です。

 

誰よりも味方でいてほしいあなたへ

心の奥まで届きますように

今日も信じて歌うよ!

 

道は不確かだけど

好きだからできる

私らしく輝いていける気がして

 

「大好き」を叫べる世界を作るといいながらも自分が大好きを叫べない相手がいる矛盾を取り払い、私らしく=菜々の理想のまま(優木せつ菜)輝けるようになりました。

 

未来(さき)のこと

誰にだって未知な世界なんだ

不安いっぱい でも大事だよ

本当の気持ちだから

 

それまでは「葛藤」を生み出す要因になっていた不安という要素を「大事」なものだと考えられるようになっています。

 

また、CHASE!ではせつ菜と菜々を一度切り離して考えてもらいましたが、MELODYをもってその必要はなくなったと考えています。

 

走り抜けた想いが

心を染めてまっかっか

涙 飛んでった

 

サビの歌詞ですが、この心がまっかっかに染まるという歌詞。

これは中川菜々の中で切り離しが起きていた優木せつ菜という存在の純度が100%になったというような解釈をしています。

 

 これについては以前少しお話しているので是非そちらもお読みいただければと思います。

sun-kotori0912.hatenablog.com

 

 心がまっかっか(せつ菜色)に染まる=菜々とせつ菜が完全に同一と呼べる存在になる。*6

 

これをもって菜々ちゃんが抱える「葛藤」は解消されたのではないかなと考えました。

 

その裏付けになるかはわかりませんが、MELODYの次にリリースされた曲「LIKE IT! LOVE IT!」ではキズナエピソード及び歌詞を通してせつ菜ちゃん=菜々ちゃんの望む果てしない野望と「大好き」に対する価値観が伺える内容で、「葛藤」に焦点を当てづらいものだと感じています。

 

これも菜々とせつ菜が完全に同一と呼べる存在になり、二人の意思や願いが重なっているからなのだと思いました。*7

 

DIVE!

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TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」3話挿入歌として登場した曲です。

 

3話を簡単に説明するなら、自分の「大好き」でメンバーの「大好き」を傷つけてしまい、もう誰も傷つけまいと自分の「大好き」を秘めてしまいますが、自分に対する純粋な「大好き」という感情で許され救われる……そんな感じでしょうか。

 

1話ではCHASE!も披露されており、このときはせつ菜ちゃんがもう誰も傷つけないため、少しでも残りのメンバーの活動に勢いがつくように行ったケジメのライブでした。

 

3話を通して、自分に向けられる期待に応えたい気持ちと自分の「大好き」を貫きたい気持ちに対して誰かの「大好き」を傷つけてしまいかねない気持ちの「葛藤」がテーマだと感じています。

 

DIVE!は自分に対する純粋な「大好き」に救われ、この「葛藤」を乗り越えた先の曲。というのが楠木ともりさんの言いたかったことではないでしょうか。

 

自信なくして ただ

心に鍵かけて

響く自分の声に

耳塞いでた

 

ホントはいつだって

わかっていたんだよ

一番大切なもの

ここにあること

 

目を閉じて

言い聞かせてみたって

カラダ中騒いでる

止まらない Heart

強く熱く…!!

 

歌詞を見ていくと自分の大好きを秘めて塞いでも、心の中にある感情に嘘はつけないし何が大切なのかはわかっていたことが伝わります。

 

心を秘めた中でそんな「葛藤」に苛まれていた、その経験があって生まれた曲が「DIVE!」なのだと、そう思います。

 

MELODYと形は違えど同様に葛藤を乗り越えて、菜々とせつ菜の境にある壁を取っ払う=菜々とせつ菜が区別のない存在になる

 

真の意味で優木せつ菜が完成したからこそ「これがはじまりの歌」なのだと思います。

 

スクスタ時空とアニガサキ時空での分岐について

「葛藤」をテーマにせつ菜ちゃんの楽曲を見てきてMELODYとDIVE!それぞれの話に終着しましたが、ここまで見てきてスクスタキズナエピソード挿入歌とアニメ挿入歌で何か共通項があると感じている人もいるのではないでしょうか。

 

そうです。

スクスタでもアニガサキでも、CHASE!に始まり「葛藤」を乗り越える曲で区切りをつけるという共通点があります。

 

また個人的には優木せつ菜という人物の性格について菜々とせつ菜で分けた時、菜々寄りなのがアニガサキ時空、せつ菜寄りなのがスクスタ時空だと感じています。*8

 

そして曲で見ると菜々よりもせつ菜の要素が強いのがDIVE!、せつ菜よりも菜々の要素が強いのがMELODYと感じています。*9

 

・菜々寄りのアニガサキではせつ菜要素が強いDIVE!

・せつ菜寄りのスクスタでは菜々要素が強いMELODY

 

と見事に正反対、対比になっているように感じますね。

 

順番としては性格→曲なのでそれぞれの性格を土台に考えたとき、

 

 

「葛藤」を乗り越えるにはもう片方の性格と折り合いをつける
 →結果としてもう片方の性質の強い曲になる

 

 

ということなのかなと思います。ということで

 

・主が菜々ならせつ菜と向き合い、せつ菜の要素が強くなる

・主がせつ菜なら菜々と向き合い、菜々の要素が強くなる

 

という関係が成り立ちそうです。

 

アニガサキとスクスタで似たテーマでもまったく正反対のアプローチになっているんだなと思うとちょっと面白いですよね。

 

あとがき

という訳で「葛藤」というキーワードをテーマにせつ菜ちゃんの楽曲について考えていきました。

 

せつ菜と菜々でそれぞれの視点を持って考えるのも楽しいし、共通項やアプローチの違いに気づけたりと自分にとっても有意義な考察になったと思います。

 

 

 

 

 

最後に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優木せつ菜ちゃんと中川菜々ちゃんへ

 

お誕生日おめでとう。

 

あなたの「大好き」を貫く姿勢が今の僕の価値観に大きな影響を与えていることは間違いなく、そんなあなたが「自分の好きを他人に押し付ける世界じゃなくて、みんなの『大好き』を、誰も否定しない世界」を作りたいといってくれたことがただただ嬉しかったです。

 

「否定」されない世界、誰しもがそこに存在することを認められる優しい世界。

 

そんな世界が実現するといいなと心から祈っています。

 

これからもあなたの野望が叶うよう、微力ながらお手伝いさせてください。

 

これからもずっと応援しています。

                          SUNより

*1:読もう読もうと思って積んでしまう本ってありますよね。それです。

*2:12話挿入歌『Awakening Promise』、13話挿入歌『夢がここからはじまるよ』については言及なし。

*3:要素としてはあるなぁくらいでじっくりそこに向き合って聴いていなかったんだと思います。

*4:表現者であるせつ菜の力を借りて非表現者である菜々の気持ちを代弁している。

*5:CHASE!が応援歌としても成り立つのは、この菜々ちゃんが持つ要素が誰しも普遍的に持ちうる要素だからというのもあると思います。

*6:つまり表現者であるせつ菜と非表現者である菜々にメンタル的な差がなくなった。

*7:これに関してはサンプルが1曲だけなので100%の自信がある訳ではないです。今後せつ菜ちゃんが新しい悩みとぶつかり不安や葛藤を生じる可能性も否定はできません。とにかく4thアルバム楽曲の視聴動画が早く欲しいものです。

*8:アニガサキでは4話でメガネを無断使用したかすみに注意をしたことがかすみのセリフから考察できます。同好会活動中のことなのでおそらくせつ菜として。10話でもせつ菜として1,3年生に注意する姿が見られます。誰を叱る姿というのはせつ菜よりも菜々としてのイメージが強く感じます。逆にスクスタではせつ菜であるときはとことんせつ菜であるし、菜々の姿であるときも場合によってはせつ菜の面が大きく出ることも多いです。

*9:細かいニュアンスですが、DIVE!は菜々に眠るせつ菜を呼び覚まして歌う曲。MELODYは優木せつ菜のパフォーマンスの場を借りて菜々が想いを語る曲、といった具合。